家を建てるときに....
現在私たちは情報化が進んだ便利な社会で生活しています。「家をたてよう」と思ったら、インターネットやテレビ、雑誌で簡単に多くの情報や選択肢が探せるます。一方で、「家を建てる」という、多くの人にとっては初めての出来事に対して、膨大な情報の中から実際に自分に必要なものは何なのかを選択するのは容易なことではありません。必要だと思っている情報が現実の条件と合うか、時間の経過とともに色あせてしまうものではないかと見極めるのに多くの時間を費やしながら、もしかすると本当に重要な情報は手に入れてないかも....と不安に駆られることがあるかもしれません。そのときには、まずはシンプルに「その家で毎日どんな生活をしたいのか」を考えてみてください。家はその生活を実現するための器です。「生活」について具体的な理想がはっきりしていれば「器」をつくるのもスムーズに進みます。それを核にして最後まで見失わないことが家づくりを成功させる秘訣です。とは言っても、自分たちの生活のなかで一番の核になるものは何なのかを具体的にすることは、急に考え始めても難しいかもしれません。それを明確にしていくため、またはそれには何が必要かを提案するために建築家は存在しますので遠慮なくご相談ください。
そして、現代は環境の問題を考えないでは生活できない時代でもあります。ゴミの分別、オフィスの温度コントロールなどなど、環境への取り組みは日常生活の中に浸透しつつあります。住宅も例外ではありません。江戸時代のように生活の工夫や智恵を手間をかけて実践して省エネルギーな循環型生活ができたらいいのですが、忙しく複雑な現代では現実的ではありません。しかし、設計の段階から意識することで、建築的に省エネルギー生活を実現することは可能です。通風や太陽熱を最大限に利用したり、熱効率のよい素材を選んだり、環境エネルギーの新技術(太陽電池パネルなど)を使うことや植物や樹木をうまく配置することなどを組み合わせて設計し、足りないところを電気やガスのエネルギーを使って補うことで現代的なエコ生活はかなり実現できます。もちろん、夏も冬も冷暖房設備で強力に室温をコントロールしたり、快適性を追求するための電気機器をフルに使った生活に比べれば、省エネルギーな生活は少し手間がかかるかもしれません。しかし、毎日風向きや天気を気にかけて窓を開け閉めしたり、室内環境を快適にするためにいろいろ工夫し生活してみることは、住宅の耐久性や、住人の健康のためにも決して悪いことではありません。なにより次の世代の人たちに安全で美しい環境を残すために、積極的に省エネルギー生活を実践することは、利便性に勝ることであり、また毎日の暮らしに潤いをもたらすものであると確信しています。